この度、弊社の名刺を新調致しました。
新調と言っても、現在使用中の名刺と使い分けられるように別パターン(2パターン)を制作した形になります。
制作に至ったきっかけとしては、社長の『名刺の記載情報が徐々に多くなり過ぎたので、今一度整理したい。』という依頼でした。また、社長から“必要最低限の情報”を、とオーダーがありました。
伝えたい情報が多すぎると却ってそれが相手にとっては分かりにくく伝わりづらくなることがあります。伝えなければいけない最低限必要な情報だけを記載しシンプルを極めました。
余談として、制作上名刺の“表”と “裏” がありますが、個人的には表も裏もないと思っています(両面刷りの場合)。どちらが表になっても裏になっても伝わるからです。表裏というより印象別と言う方がしっくりきます。(*ただ本文では便宜上、表裏という言葉と使用します。)
Pattern1

誰であるか、を極めました。
また、クラシカルでスタイリッシュな印象にしたいと思い、縦型名刺にしました。
裏面のポイントは2つ。
1つは、名前の部分を敢えてカナ表記にしています。それは、表面で飛び出した名前の読み仮名になっています。ひらがな表記だと少し柔らかく幼い印象に感じた為、カナ表記にすることで、シャープでカチッとした印象に。

もう1つは、会社ロゴの抽斗の一部に差し色を入れています。光加減や角度により色の見え方は変わりますが、赤の差し色です。赤は赤でも、金赤と呼ばれる赤を用いています。


金赤については、印刷会社様によって認識する色味や定義が違う為、一概にこの色!と言えませんが、鮮やかな黄みを帯びた赤である印象です。金赤の由来としては、江戸切子のガラス工芸で赤色を発色させる為に金を使用していたところからきています。赤自体、情熱や生命力、おめでたい縁起の良いイメージを持っています。そういった点から、ポイントに赤を添えました。そして、社長は赤色が好きだということです。(小声)
Pattern2

ゆったりとした安定感と親しみやすさを感じる横型名刺にしました。
ポイントとして、名前に視線がいくように名前のみ縦書きにしました。(表面)


そして、もう1つポイントとして、会社ロゴ部分をエンボス(浮き出し)加工しています。大きめにロゴを入れていますが、着色せず空押ししています。その為、全体に馴染みますが存在感はきちんとあります。


また、裏面には凹凸の干渉がある為、ロゴ部分が凹んだ状態で表現されます。それもまた、表面と違う表情が楽しめます。


初心に帰る
自分の名刺を初めて手にした際に感じた気持ちを覚えているでしょうか?なんともむず痒いながらも“頑張りたいな”と気持ちがシャキッとするような感覚を。
新しい名刺にすることは、初心に帰り今の自分を見つめなおす契機になるように感じます。大事にしていたことを見失っていないか、掲げているビジョンやミッションに向かって進めているだろうかと一瞬でも立ち止れるタイミングになってほしいと想いを込めています。
そしてもう1つ。新しいことを試み挑戦し続けたその先が、気づけば原点、初心と再び出会うような感覚であってほしいと思います。初心に帰るとは、過去に遡り内省するイメージだけではなく、挑戦した先に出会う未来向きのポジティブなものでもあると思います。
“ただ戻る”のではなく、経験を重ね知識を蓄え、ひと回りも二回りもしてスタート地点(原点)に戻ってくるニュアンスです。
そっと名刺入れに忍ばせ、時には“武器”に、時には“お守り”のような存在に。
― なりますように。
